水いぼ

学校などのプール開きを前にして「水イボ」の相談が多くなって来ています。水いぼとは正式には伝染性軟属腫といい、ウイルスが原因でおこるものです。その治療法には極端ともいえるほど正反対の二通りがあります。一つはイボを根こそぎ(ピンセットで)採ってしまう方法、もう一つは免疫が出来るまで待つと云う方法です。学校や集団保育の現場でも対応は様々かと思われます。
私はどちらかと云うと中間の考えで対応しています。つぶれそうなものは採ってしまいましょう。その他の小さいものは少し待ちましょう。というものです。もともとアトピー性皮膚炎など皮膚の弱いお子さんは嫌になるくらい全身に広がってしまうこともしばしばあります。このような方でも必ず数ヶ月、長い場合で1 年くらいすると総て消えてしまいます。ですから苦痛を伴う治療をするのは最低限にしたいと思うのです。ただし必ず消えるといってもどんどん増える時期に待つだけというのもつらいかも。そんな時はお母さんと相談して治療方針を決め、時には軟膏、漢方薬や、はと麦茶も試してみるようお勧めしています。

夜泣き

赤ちゃんの夜泣きに悩まされているお母さん多いですね。程度はいろいろですが、中にはおなかが空いているわけでもないはずなのに火がついたように何時間も泣き続けるような赤ちゃんもいます。
あんまりひどい泣きかたに「どこか痛いのではないか」と実際に救急車で夜間診療に連れていらした御家族もあったほどです。(この子は病院に着いた頃には気 が済んだかのようにすやすや眠っていました。)寝る前のミルクは多めにあげる、寝る前にはお風呂に入れて疲れさせる(?)、泣いたら車に乗せて外に連れ出す、などなどいろんな方法を試すけれどなかなか夜泣きはおさまりません。
夜泣きの原因は身体の異常の場合もないわけではありませんが大半は赤ちゃんのイライラのようです。ゆったりと心配しないでだっこしてあげてください。
思い出のひとこまになる日はそんなに遠くないものです。

桜が満開となりました。
願わくは花の下にて春死なん、この如月の望月のころ。
西行は人生のはかなさと桜をあわせ見てこの句を読んだのでしょうか。

花冷えという言葉があるようにこの季節体調を崩しやすく今年はインフルエンザの流行も重なっていますので体調管理をしっかりいたしましょう。

たいへん申し訳ございませんが4月9日(月)は長谷川は休診とさせていただきます。
高橋医院は通常通り診療をおこなっています。

きなこもち / 休診のお知らせ

こどもたちの学校の遠足にいくためのお菓子を買いたいというときは、200円くらい渡して自分で選ばせています。少ない予算の範囲で少しでもたくさんのお菓子をゲットするのですから、もう真剣そのものです。こんな時○○チョコは美味しくて一個十円で大満足。シリーズの中でもきなこもちは「こんなに美味しい ものはない!」とこどもにして云わしめる名菓だそうです。(私には本物の方が美味しいです。)いつも思い切りたくさん食べたい!と思っているようだったのですが、、、ありました!100個入り。奮発して買ってあげたところ、そんなに嬉しいかなと思うほどの感激ぶりです。たまに家族に惜しそうにひとつずつく れることも有りますが、箱はどこかに隠して毎日大切に食べているらしいです。

3月16日 長谷川は休診させていただきます。高橋医院は通常通り診療をおこなっています。

午後4時30分

先日六本木の某書店に立ち寄り、久々にじっくり文庫本の品定めをしていました。
文庫本の書棚はそのお店の西側に位置していましたので、
たくさん並んだ本が小窓からの夕日に照らされて店内には静かな音楽が流れていて、とても素敵な時間でした。
平積みにされた店員さんのお勧めの小説がまた自分だけでは手に取らないようなタイプの作者でしたがとてもフィーリングにあうものでした。
なかなか自分のための時間は確保できない毎日ですが、こんなひとときに癒されました。

流行性疾患と季節

いつが寒さの底かなと思っているうちにもう春の兆しを感じる日々になっています。
子供の頃の家の庭には、父がいろんな種類の早春に花をつける木を植えていました。
梅から始まってマンサク、レンギョウ、トサミズキ、ロウバイの黄色い花々が次々咲いていい香りがしたものです。
春を告げる花が多かったのは父が雪国出身だったからだと大人になって気付きました。
私が研修医だったころは流行性疾患にも季節性がはっきりありましたが、この数年は夏に多いはずの病気が真冬に流行ったり春に多かった病気を一年中診たり、と変化しました。
それでも今年のようにインフルエンザが流行らない冬は記憶にありません。
現在は溶連菌感染症が流行中です。

小児科の看板について

今回高橋医院で診察を始めるにあたって、どのように皆さんにお知らせすればいいものか実はたいへん迷いました。なるべくたくさんの方々に知っていただきたいものの、新規開業ではありませんので、広告をだす、というのも違和感を感じました。とりあえずかなり地味に医院の前に簡単な自己紹介と、診察時間を掲示しました。ちょうど入り口の前に花壇がありましたが父だけでは手入れが行き届きませんでしたのでちょっと赤いお花を植えてみたりしました。多分これだけではどんな小児科医が中にいるのか分からないと思いましたので、娘に頼み「小児科」という看板を作ってもらいました。入り口のガラス窓に掛けてある小さい白い看板です。娘はたいへん絵が好きですし、母を応援するつもりで一生懸命描いてくれました。前から有りました電気のつく大きな看板は実はうっそうと繁った木の枝がかぶさってしまっていたのを近所の方が枝を払ってくださいました。花壇のお花はその後ほかのご近所の方が毎朝「ついでですから、、」とさりげなく水をやって下さっています。結局このようになんとも牧歌的でのどかなお知らせしかいたしませんでした。その後患者さんもほかのお友達に知らせて下さったりして少しずつ少しずつ知っている方が増えて来たようです。たくさんの方々のご期待に応えることができるように日々頑張っています!

育児書

初めての子育てはなにからなにまでわからないことばかり、初めての子供のときはひそかに小児科医なのだから育児のことは分かっているだなんて過信していました。確かに病気や薬の知識はほかのお母さんより豊富ですが、実際の育児に関してはただ分かっているつもりだけであったことにすぐ気が付いたものです。夜泣きされた時どうしたらいいのか、少食な子にどうやって食べさせればいいのか、しつけはどのようにするものなのか。。。乳児期、幼児期はもちろん小学生に なった今も子育ての悩みはつきることはありません。子育てには算数のような正解はないけれど、いろんな意見に素直に耳を傾けることも大事だと思います。そんなとき私が参考にした育児書は「育児の原理」という内藤寿七郎先生の著書です。(アップリカ育児研究会発行)内藤先生は小児科医にとっても神様のような 存在です。機会がありましたら是非参考にしてみてください。

漢方薬について

私はこれまで西洋医学を学び、それに基づいて治療をしてきましたが、このところ、東洋医学の視点を加えることで、より守備範囲の広い医療を実践できるのでは、と期待しています。漢方薬は飲みにくいし、効くかどうかよくわからない、というのが大半のイメージではないかと思います。確かに効き目が穏やかな薬が多いのですが、例えばおなかを壊しやすい、イライラして神経質である、風邪を引き易い、などの虚弱体質を改善する薬は西洋薬には適当なものがありません。 女性に多い、冷え性、便秘、のぼせなども漢方薬の得意分野です。風邪薬も初期に効く薬、長引いた時に飲む薬など病期にあわせて別々にあります。
生活スタイルを見直しながら体質を改善し、自然治癒力をたかめる、というのが漢方薬の考え方です。
お子さんにも飲みやすい甘い薬もあります。また日本では保険適応があります。
こちらから漢方薬をお勧めすることもありますが、漢方薬を試してみたい、というご相談に積極的に応じてまいります。

手当て

先日タッチケアの指導者講習会に参加してきました。
タッチケアはふれあうことで母と子の絆を深めましょう、というのがその大きな目標です。
以前ご紹介しました通り火曜日には慈恵医大の母子センターで月2回開催しています。
難しい手技が必要ではないのです。大切なのは慌ただしい育児の日々のなかでわずかでもこどもと向き合うゆったりした時間を持つことなのではないかと思っています。
タッチケアはハイハイする頃までの赤ちゃんを主に対象にしていますがその本来的な意味からは、大きくなってもだっこするのには大き過ぎるように思える小学生にでも触れてあげることは大切、ということが講習会で話題になりました。
例えば「チチンプイプイ痛いの痛いの飛んでいけ!」と転んだ子供の膝をなでてあげると笑顔が戻るように、お母さんの手は子供にとって魔法のような力を持っているのですから。
医師としても的確な診断と的確な処方は言うまでもありませんが、それだけではなく、お子さんの苦痛を癒す、つまり手当てをする心をいつも持ち合わせていたいと思います。

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