小児救急講習会

昨日練馬区の依頼で小児救急のミニ講演会を貫井ぴよぴよにて行ないました。
予想以上にたくさんのママたちが集まってくださいました。
準備していた内容はどちらかというと赤ちゃん向けでしたが、お子さんたちの年齢に幅があるようでしたので皆さんに満足していただけたかとても不安に思っています。
たくさんの人の前でお話をすることは実は苦手なので緊張していましたが、いつも高橋医院にきておられるママたちのお顔をみつけてとても励まされました。
最後に個別質問コーナーがありましたが、ああこのような事が心配なのだなと私としても勉強になりました。
みなさん小児科に診察に来られたときは混雑しているときなどは特に、育児の不安の質問をついつい遠慮してしまっているのかもしれませんね。でも訊いても良いのかなということこそどうぞためずに質問してください。
お電話での質問はうまく時間がとれないと思いますが。心配事をなくしてお子さんをかわいがって欲しいと思います。

重なる時には

 我が家のこどもたちも大きくなりあまり病気もしなくなりましたが、今となっては思い出すのも嫌になるほど二人の子供が順番に具合が悪くなった頃がありました。一人がやっと熱が下がったかと思いほっとするともう一人が発熱。それがすぎしばらくすると一人が耳が痛いと夜中大泣きし案の定中耳炎だったとか(まだまだ続きあり)。その都度仕事の予定をやりくりしたり夜中にこどもを預かってくれる人のところに車で移動したりでとにかく必死でした。目の前のことをこなすことに夢中で「世の中で何が起こっていようと私には関係ないから。」と思っていました。「どうか2日後までには熱が下がります様に。」などと念じたりしましたが小児科医だからといって秘策があるわけでもなし、あの頃御迷惑をかけたすべての皆様本当にごめんなさい、です。
重なる時には重なるもの。二人が時間差で足の骨折した時期も有り「ひとり一本ずつでも私にとっては二本。」と泣きたくなりました。いちばんつらいのはこどもなのになんだか自分の都合でゆっくり看病もしてやれずかわいそうなことをしました。
今年はワクチン接種も例年より多くどのご家庭もその予定をこなすだけでも大変だと思います。いろいろご協力感謝しています。寒くなって来たので体調を崩すお子さんも増えて来ました。あと数ヶ月春になったらきっとこの状況も好転するでしょう。私にできることは僅かではありますがお子様方の健康を守ることお母さん方の心に寄り添うことを精一杯させていただきます。

ところで

 インフルエンザの流行、季節性ワクチンの接種、新型インフルエンザの接種と今年は例年にない混雑でたいへん御迷惑をおかけしております。
みなさんのお子さんを守りたいお気持ちが痛いほど伝わるだけに、日々全力投球してはおりますが、ご要望に添えないことも多々あると毎日反省しています。人ひとりができることの限界をひしひしと感じています。
私の診療のモットーのひとつは保護者の方のお話に出来る限り耳を傾けるというものですが、この多忙にかまけて、それを貫くことができないこともあります。特に診察を終えて診療室の扉を出られる時にまだなにかおっしゃりたいことがあるかもしれないと感じたときなどは帰宅途中の電車の中で「ああ大丈夫だったかな」とくよくよしています。本当に申し訳けないことです。新型インフルエンザ流行は80年に一度という説もあります。ワクチン接種も始まり、流行が鎮圧される日も遠くはないと思われます。とにもかくにも気持ちをさらに引き締めつつもゆとりを忘れずに診療にあたっております。どうぞ診療中の電話での問い合わせには対応出来かねることなどご協力いただけましたら幸いです。

お引っ越し

 私が高橋医院で診察するようになって3年が経ちました。3年間は大人にとってはあっという間の月日です。けれど生まれたばかりだった赤ちゃんたちが3歳となり幼稚園に行くようになったりちょっと生意気なことも言える様になったりして子供達にとっての3年間という月日の重みを感じます。
また3年間のうちにはこの便利ではない医院をかかりつけに選んでくださった御家族が引っ越しすることになったことも多々ありました。みなさん「引っ越すことになりました。これでこちらにくるのも最後です。」と準備で忙しいでしょうにわざわざ挨拶に来て下さることも多く、さみしいのですが報告をしていただけることをとても有り難いと思っています。
短い年月とはいえ子育ての一番最初にお母さん方の心配に寄り添い、赤ちゃんの成長を共に喜びあえたことは小児科医であるわたしにとってなによりの喜びなのです。お近くにくることがあったら是非また顔を見せて下さい。高橋医院で御縁があったお子さんたちが幸せに笑顔で過ごしておられることを心より願ってやみません。

こどもとの雨の日

 雨の日が続きます。雨の日は静かで情緒的です。
こどもたちが小さかった頃こんな雨の日に家の中で絵本読んだり工作をしたりして過ごしたいと思っていました。
けれど実際には外にでられないストレスでこどもたちは大騒ぎいつもよりいたずらもエスカレート、家の中はぐちゃぐちゃ。。。こんなはずじゃなかったのにと思いました。もちろん本も読んでやりましたし工作もしましたが、そんなの何時間も費やすことはできません。理想的な絵に描いたような子育てなんて誰にもできないのでは?
歌う様に自然にこどもとの生活を楽しむことができたら幸せです。

成長を喜ぶ

開業をして約2年間が経ちました。最初の頃から診せてもらっていた赤ちゃんたちも随分大きくなりました。
お子さん達の成長ぶりを保護者の方とともに喜べるのが小児科開業医のなによりの楽しみだなと実感しています。
お母さん達もお子さんの記念日の写真をみせてくださったり、「こんなことが出来るようになったんです!」という報告を診察のあいまにしてくださります。
こんなに大切なお子さんの診察を任されているのだなという責任も同時に感じ身が引き締まる思いも有ります。
さらに年を重ね子供達はどんな大人になっていくのか見届けて行きたいと思います。

こどもの歩み

これはあくまでも印象で、小児科学としてコンセンサスのある話ではないのですが子供の成長は階段状に進んでいくように思えるときがあります。
例えば幼稚園にいっているくらいの子が何度練習しても小さいビーズに糸を通すのが難しい、ボタンをはめるのがなかなか上手く出来るようにならない、折り紙が三角にきちんと角を揃えて折れない、というようなことにぶつかると、いったいうちの子はいつになったらできるようになるの!とお母さんにしてみたらなんだか悲観的になることも少なくありません。
私自身も特訓すればできるようになるのでは?などと考えて苦手ななわとびをさんざんやらせてみたりしたこともありました。幼稚園の先生にご相談したところ 先生は、『そう云う時は待ってみることも大事ですよ』とずばりおっしゃられ、その通り、私の一生懸命さがちょっと冷めた頃にいつのまにか問題なくできるようになっていました。
こどもたちは階段をひょいっといとも簡単に一段どころか一気に二段三段と駆け登る時もあるようですが、長い長い平らなところを歩いていてやっと一段登る時もあるんですね。一見前に進んでいないようでも歩み続けているこどもたちの成長とは素晴らしいものですね。

雪の日

先日自宅近くのお庭で梅の花が咲いているのをみつけ嬉しく思っていたところでしたが、
今日は雪がふりました。
思ったよりたくさん降ってきてこのままだと明日の朝は足元が滑りやすくなりそうです。
大人は交通事情など考えてちょっと困ったなという気持ちもありますが、こどもたちは朝から大喜びでした。かさなんかさそうともせず「すべるからね」と声をかけてもあっという間に走り出す始末。
そういえばこのごろは氷が張る水溜りも霜柱がたつ地面も少ないです。
子供たちには季節のうつりかわりをたくさん実感して欲しいです。
地球環境問題への積極的な行動が求められる時代となりましたが、自然の美しさ、不思議さに感じ入り、それを愛でる心がなによりの原動力になるのではないかと思います。

冬のあせも

あせもができやすいのは暑い夏ばかりではありません。むしろ肌寒くなりついつい厚着をさせてしまう今くらいの季節にも多く相談を受けます。
こんな季節にあせも?と驚くママも時にいますが赤ちゃんは一年中汗っかきなのですね。お風呂に入ると真っ赤に目立ちなにか悪い発疹かと心配になりますがこれは単に皮膚の血行がよくなったから赤くみえるだけ心配いりません。たいてい衣服をこまめにとりかえることや着せ過ぎていないか見直すことなどで改善しますのでむやみに塗り薬は必要ないと思うのですがかゆくて困るようなら一時的に薬をつけても良いと思います。
どのくらい着せたら良いのかは赤ちゃんが訴えることができないだけになかなか難しいですが目安としては大人より一枚少なく、とはよく育児書に書かれているところです。
あせもだけでなく乾燥も目立つ季節ですのでこの対処が必要な赤ちゃんもいます。大部分はアトピーとは違うものですが判断は難しいので相談して下さい。

退屈な時間

昔の子供は今より長く患う病気を療養することも多かったのだと思います。
乳幼児は別ですが、小学生くらいになったこどもが家で天井を眺めながら病気がよくなるのをじっと待っている、という場面でその子はどんなことを考えたのでしょうか。
なにか漠然と今まであったこと、これからのこと、あるいは病気のことなどなど思い巡らすのはこんな時間だったのではないでしょうか。
現代はそんな時でもDVDをみたりゲームをしたりとそれなりに時間をつぶす方法はたくさんあります。
このため退屈で仕方がないという時間をすごしたことのある現代の子はむしろ少ないのではないでしょうか。
実はこんな退屈な時間にこどもは内面の成長を遂げるのではないかと思えるのです。
なにも病気になったほうがいいというわけではありませんが、忙しい現代でも、あえてなにもすることのない時を過ごすことは子供のみならず大人にとっても大切なことだと思います。

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